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緑色の体に鮮やかな水色のライン、うっすらと青いアゴに縞々の尻尾、樹上棲トカゲの中でも本当に美しいトカゲです。オスは大人になるとクレストと呼ばれる大きなトサカが発達し、美しさの中にも鋭いかっこよさを持ち合わせています。
外国産トカゲの中でも中型に分類され、全長は90cm程度になるためスペースとケージの確保が飼育の肝になりますが、エサや温度など基本的な飼育難易度はそこまで高くないためしっかりと事前準備をしてお迎えをしてあげましょう。
「飼育に必要なものはなんとなく知ってるけどイメージがわかない・・・。」
という方も多くいらっしゃるかと思いますので、今回は、私の実際の飼育環境をご紹介しながらインドシナウォータードラゴンの飼育方法を徹底解説したいと思います!
多くの樹上棲トカゲの基本的な飼育方法となりますので、是非最後までご覧ください!
インドシナウォータードラゴンとは?まずは生態について知ろう
爬虫類の中でも比較的一般的なトカゲであるため、他のサイトなどでも情報は出回っていますが、ここでは主に飼育に関わる点に絞ってご紹介します。
体長
大人になると90cm程度まで成長し、中型のトカゲと言えるでしょう。
しかし、とにかく尻尾が長く、体の半分以上を占めるためアダルトの個体でも数字で見るほど大きくは感じません。爬虫類の中でとても有名で、よく比較されるグリーンイグアナは200cm近くになるので、「イグアナを飼いたいけど大きくなりすぎるから飼えない。」という方には大変おすすめです。私が一番最初にインドシナウォータードラゴンを飼育することになったきっかけもこの理由です。
価格
5000円~10000円前後です。
私は25cmほどのベビーサイズを5980円で購入しました。
とても美しいトカゲですが、とてもリーズナブルで、専門店でも頻繁に見かけることから入手難易度は高くないように思います。
また、ヤング~アダルトほどのサイズになると、クレスト(頭から背中にかけてのトゲ)の発達具合や発色の具合、ラインの入り方など見た目の美しさで価格が大きく前後します。
寿命
8年~10年程度と言われています。
最長で15年生きるともされていますが、飼育下ではどうしても短くなってしまう傾向にあるので平均して10年程度と考えて良いでしょう。
行動
ここでは飼育環境下において頻繁に目にすることができる行動をご紹介していきます。
木に登る
インドシナウォータードラゴンは「樹上棲(じゅじょうせい)」と言い、自然界では主に木の上で生活をしているトカゲです。そのため、飼育下でも一日の大半を流木など高さのあるところで過ごします。特に、ベビーやヤングの頃では忍者のように木に飛び乗ったり、木から木へ飛び移ったりする姿を見ることができます。
床材を掘る
正確なことは分かっていないそうですが、常に脱走を試みているという情報を目にしたことがあります。私の飼育している子も床材を掘ったり、ケージの前面に飛びついたりととにかく活発に動き回りますが、隙あらば逃げ出そうとしているようです。
実際、ケージのロックが甘く脱走され、私が仕事から帰ったらリビングで走り回っていたことがあります。「常に脱走を試みている」ということを念頭に置き、ケージの戸締りはしっかりとしましょう!(笑)
水浴び
インドシナウォータードラゴンはとにかくよく水浴びをします。私の飼育している子は、水に入り後ろ足で頭を掻く仕草を頻繁にします。脱皮中でなくともやっているので、単純に水浴びとしての行動であろうと思いますが、とても気持ち良さそうにするので見ていてとても癒されます。
水の中で糞をすることもしょっちゅうですので、水は必ず毎日新鮮なものに取り換えてあげてくださいね。
実際の飼育環境をもとに具体的な飼育方法をご紹介
ここでは、具体的な飼育方法や飼育環境について解説します。ネットなどでも情報がたくさん出回っていますが、知識として知ることはできても飼育している状態を具体的にイメージするのはなかなか難しいのではないかと思います。
そこで、今回は実際に飼育しているインドシナウォータードラゴンの飼育環境を写真付きで紹介しながら、より具体的に解説します!
まずは実際の飼育環境を写真でご紹介!
写真が小さくて見づらいところもあると思いますが、画像をクリックしていただければ拡大されますので気になる画像は是非拡大してくださいね!(スマホでご覧の方はピンチアウトしてください)
こちらのレイアウトについて、制作工程や必要なもの、かかる費用などについて詳細に解説した記事もありますので、ご興味のある方は是非ご覧ください。
▼レイアウト解説記事▼
インドシナウォータードラゴンのケージレイアウト|制作工程や必要なものをご紹介
飼育に必要なもの一覧表
まずは「飼育に何が必要なのか」を一覧でご紹介します。それぞれについては下で詳しく解説していくので一度目を通してみてください!
製品名をクリックすると詳細が書いてあるところまで飛べるので、見たいところが決まっている方はクリックしてください!
項目 | 製品 | 重要度 |
環境 | 飼育ケージ | 必須 |
床材 | 必須 | |
水槽台 | 高 | |
たこ足配線 | 中 | |
照明類 | バスキングランプ | 必須 |
紫外線ランプ | 必須 | |
ソケット | 必須 | |
ランプステー | 高 | |
小物類 | エサ入れ | 高 |
水入れ | 必須 | |
ピンセット | 高い | |
石 | 低 | |
流木(登れる木) | 必須 | |
空き瓶 | 低 | |
エサ | 生き餌 | 必須 |
カルシウム剤 | 必須 |
製品別にそれぞれを詳しく解説!
飼育ケージ
横90cm×奥行45cm×高さ60cmのガラスケージを使用しています。
インドシナウォータードラゴンは、尻尾を合わせると90cmほどになりますが、樹上棲という性質から横幅よりも高さが重要になります。
本来であれば高さは90cm欲しいところですが、一般的な製品では60cmの高さが最大です。完全な大人のサイズになったら室内用のガラス温室を利用するなどの工夫をしてみると良いでしょう。
▼使用しているケージ▼
GEXから販売されているグラステラリウムの中で最大のガラスケージです。インドシナウォータードラゴンは成長スピードがそこまで早くないため、ベビーの頃から飼育する場合は段階的にケージを大きくしていくことも可能です。
小さめのケージで飼育をする場合も、流木や石などを使って必ずレイアウトに高さを出すように心がけてください。登るところがないと、それだけでインドシナウォータードラゴンにはストレスになってしまうためです。
■ジェックス グラステラリウムのポイント
グラステラリウムについては、こちらの記事で詳細に解説していますのでもう少しこのケージについて知りたいという方は是非ご覧ください。
▼グラステラリウム解説記事▼
GEX製グラステラリウムの特徴を解説|機能や使い勝手を徹底レビュー
床材
ジェックス製の爬虫類用ソイルを使用しています。
ウォータードラゴンは乾燥帯ではなく熱帯に生息するトカゲで、高い湿度を好みます。砂やクルミ材では湿度を保つことが難しいため土の素材であるソイルが適しています。
土の素材が水分を吸収してくれるため保湿効果に優れています。
▼使用している床材▼
上述したように、ウォータードラゴンは高湿度を好むため、ケージ内が乾燥することは絶対に避けたいところです。湿度を保つ床材としてソイルの他にヤシガラが使用されることも多くあります。
もちろん、ヤシガラも保湿効果は高く、とても安く大量に購入することが可能ですのでコストパフォーマンスを重視される場合はヤシガラの使用がおすすめです。
私がヤシガラを使用していない理由は見た目です。好みの問題ではありますが、ヤシガラは特性上とても軽く、粗く作られています。そのため生体が少し歩いただけで床材が大きく動き、すぐにケージのガラス面が露出してしまうことが多く、それを避けたいためにソイルを使用しています。
どちらが正解ということはありませんので、多湿系の生体を飼育する場合はソイルかヤシガラを使用しておけば間違いありません。
■ジェックス テラリウムソイルのポイント
水槽台
※横幅90cmのケージがギリギリ乗るサイズのもの
インドシナウォータードラゴンは、フトアゴヒゲトカゲなどと違い樹上棲のトカゲです。そのため、レイアウトで高さを出すだけでなく、ケージそのものも高い位置に置いてあげられることが望ましいです。
下に置いてしまうと、常に人が上から見る形になりインドシナウォータードラゴンのストレスの要因となってしまう可能性があります。
▼使用している水槽台▼
私は上記のものを使用しており、爬虫類用のケージ台ではなくアクアリウム水槽用のものなので若干サイズが合わず片側1mm~2mm前後はみ出していますが、不安定さは感じられずトラブルも起こっていません。
水で満たした水槽を置くことを想定して作られているので、環境的にそれよりも圧倒的に軽い爬虫類ケージを置いても壊れる心配がないというのが嬉しいポイントです!
■コトブキ プロスタイルのポイント
注意点として、とにかく頑丈なので重いことと、組み立てが少々難しいということが挙げられます。組み立てや設置については二人で行うようにしましょう!
また、少しはみ出すことは事実ですので、見た目が気になる方、地震などが不安な方にはおすすめできません。
たこ足配線
爬虫類の飼育方法に関する情報で意外と触れられていないものがこのたこ足配線です。爬虫類だけでなく熱帯魚の飼育にも言えることですが、温度管理が必要な動物は多くの電源を必要とします。季節を問わず最低でも3口、4口以上あれば理想的でしょう。
また、これがないとケージを置ける場所が家にあるコンセントの位置に限定されてしまうので、自由にケージを配置するためにもあったほうが良いアイテムと言えます。
バスキングランプ
バスキングライトとは、部分的に温度を上げるために使う保温ライトのことを指します。インドシナウォータードラゴンをはじめとした、ほとんどの昼行性トカゲはバスキングをすることで体温調節をします。特に食後はバスキングをして体温を上げることにより消化を促進します。
これができないと消化不良を起こしたり、食べたものを吐き戻してしまったりすることがありますので、飼育においては必須のアイテムです!
温度管理のポイントは、ケージ内にホットスポット(暖かいところ)とクールスポット(涼しいところ)を両方つくることです。温度勾配を設けることで、インドシナウォータードラゴンが暑いと感じるときは涼しいところへ、寒いと感じるときは暖かいところへ自分で移動でき、体温調節をうまく行うことができます。
ここでポイントがあります。フトアゴヒゲトカゲなどの地上棲トカゲの場合、ケージ内の左右でクールスポットとホットスポットを分けますが、インドシナウォータードラゴンをはじめとする樹上棲トカゲの場合は、できれば左右とプラスで高さでも温度勾配を作ることが望ましいです。
かなりレイアウトのコツが必要になりますが、「いろいろな高さの登れるところを作る」ということを意識してください。そうすることで、木の上で生活をする性質を損ねることなく体温調節を行うことができます。
▼使用しているバスキングランプ▼
W(ワット)数は保温球から生体の距離で選びますが、飼育環境によって距離は前後しますので以下の表を参考にワット数を決めてくださいね。
距離(cm) | 50W | 75W | 100W | 150W |
10 | 50℃以上 | 50℃以上 | 50℃以上 | 50℃以上 |
20 | 32℃ | 36℃ | 39℃ | 43℃ |
30 | 28℃ | 31℃ | 33℃ | 34℃ |
40 | 27℃ | 29℃ | 30℃ | 29℃ |
50 | 26℃ | 27℃ | 27℃ | 27℃ |
60 | 25℃ | 25℃ | 25℃ | 25℃ |
紫外線ランプ
バスキングランプ同様、こちらも爬虫類飼育においては必須アイテムです。
多くの昼行性トカゲは紫外線を浴びることで脱皮を促進したりビタミンD3を生成したりするため、健康に大きく影響を及ぼします。中でも紫外線UVBが必要で、これが不足すると骨の病気であるクル病にかかってしまいます。
UVAについては窓ガラスを通るためそこまで意識する必要はなく、販売されているものもほとんどがUVB照射用のランプです。
私の飼育環境ではGEXのレプタイルUVB100の26Wを使用しています。紫外線ランプについては、「ワット数=紫外線の強さ」ではなく、球の大きさであると考えて問題ありません。同製品についても13Wと26Wのものがありますが、飼育環境(ケージの大きさやレイアウト)に応じて使い分けるという選び方で良いでしょう。
また、レプタイルUVB100と似た製品で、レプタイルUVB150というものがあります。こちらも、機能としては大きな違いはありませんが、UVB150は”砂漠に住んでいる爬虫類の環境に合わせたもの”がコンセプト、UVB100は”熱帯・亜熱帯に住んでいる爬虫類の環境に合わせたもの”になっており、UVB100よりもUVB150の方がやや紫外線が強いようです。
できる限り自然環境と飼育環境を近づけるために、インドシナウォータードラゴンの場合はUVB100を選んでおくと間違いありません。
また、注意すべき点として、紫外線ランプは紫外線が切れていても発光するということが挙げられます。「発光しているから」と思っていても実は紫外線が照射されておらず、生体が病気にかかってしまうというケースも珍しくありません。必ず半年を目安に交換しましょう。
▼使用している紫外線ランプ▼
ソケット
バスキングランプを接続するソケットですが、様々なタイプのものが販売されています。
インドシナウォータードラゴンのレイアウトを作る上で高さを出すことが必須となるため、ケージ内で照射するタイプのソケットではバスキングランプに生体が接触して火傷をしてしまう恐れがあります。そのため、樹上棲トカゲの飼育ではこのようなケージ外から照射するタイプのものが望ましいです。
▼使用しているソケット▼
▼使用しているスタンド▼
もちろん、ケージ内照射のタイプの物でもレイアウトの工夫次第で使用できないわけではありませんが、かなり制限がついてしまいますし、火傷をしてしまう可能性はどうしても残ってしまいます。
上記の物を使用すればレイアウトの自由度が格段に上がりますし、バスキングランプがケージの外にあるので火傷をする心配も全くありません。ケージ内照射によほどのこだわりがない限りはケージ外照射のタイプものを必ず選んでください。(※ソケットとスタンドは別売りなのでご注意ください)
こちらのソケットについて以下の記事で詳細に解説していますのでご興味のある方はご覧ください。
ビバリア製ランプシェードとスタンドホルダーの特徴を解説|機能や使い方をレビュー
■ビバリア ランプシェードとスタンドホルダーのポイント
ランプステー
ソケットを固定するステーです。ソケットはクリップ型(洗濯ばさみのような形)になっており、ステーをはさむことで固定します。
上でご紹介したケージにはセットで1つ付属されていますが、バスキングランプと紫外線ランプの2つ分必要ですので、必ず1つは買い足さなければなりません。私も生体を迎えてからステーが足りないことに気づき慌ててショップまで買いに行った経験がありますので、忘れず購入しましょう!
※ただし、バスキングランプを上記で紹介したソケット(ケージ外設置)のものにする場合は、紫外線ランプ用の1つで事足りますので買い足す必要はありません。
▼使用しているランプステー▼
エサ入れ
自然素材の床材を使用、かつ手やピンセットなどではなく置き餌をする場合は、床材の誤飲を避けるためできるだけエサ入れに入れるようにしましょう。
下記の物はコオロギなどの虫エサが脱走しにくい構造になっているのでおすすめです。
▼使用している虫エサ用のエサ入れ▼
注意点として、コオロギの場合はジャンプして簡単に脱走できてしまうので、必ず後脚の2本をちぎってから入れるようにしましょう!デュビアなどのゴキブリ系はそのまま入れてしまって問題ありません。
しかし、エサ入れに生き餌を入れすぎるとコオロギやデュビアが重なってそのまま脱走されるケースもあるので、エサ入れの大きさにもよりますが3~5匹程度にし、食べたら追加するという使い方がベストです。
■スドー レプタイルカップのポイント
水入れ
インドシナウォータードラゴンは、とても頻繁に水浴びをするため水入れの設置は必須です。
水入れの中をくるくると泳ぎ回るような仕草もしますので、体を少し丸めたときに全身が入るような大きな水入れが必要になります。また、水を積極的に飲むこと、頻繁に水の中で糞をすることなどから、必ず毎日水替えは行うようにしてくださいね。
インドシナウォータードラゴンが幼少期の頃から使っていたものを成長に合わせて写真に写っているものに変えたのですが、デザインが変わってしまったからか全く水に入らなくなってしまいました。
霧吹きをすると必死に水滴をなめる姿が確認でき、水入れから水も飲んでいないことが判明しましたので、今は幼少期の頃に使っていたもののサイズ違いを使っています。
▼現在使用している水入れ▼
■ジェックス ウォーターディッシュ(L)のポイント
ピンセット
1つ持っておくと何かと便利なのがこのピンセットです。虫かごなどから生き餌を捕まえるときや、インドシナウォータードラゴンにエサをあげるときなど多くの場面で活躍します。
ただし、衛生面を考慮し、糞を取り除くときは同じものを使用せず、別のピンセットか割りばし、スコップなどで取り除いてください。
▼使用しているピンセット▼
インドシナウォータードラゴンはあまり食べることが上手でない印象を受けます。舌を使わずかじりついてきて奪い取るようにエサを捕食します。細かく鋭い歯がびっしり並んでいることもあり、大きくなったウォータードラゴンに噛まれるとかなり痛く、エサだと思っているため噛みついたまま頭を振り回します。
そうなってしまうと出血を免れることはできませんので、ヤング~アダルトサイズのウォータードラゴンを飼育する場合は手からあげず、できるだけピンセットを使用しましょう。
石
主に、レイアウトの高さを出すための土台として利用します。
大きめの石の上に流木などを置いて作っていくと安定しやすいです。私は流木のみで作りましたが、そうなると流木が大量に必要でお金もかかりますので、大きめの石があると安くレイアウトを作ることができます。
流木(登れる木)
樹上棲トカゲのインドシナウォータードラゴンにとって流木は必須アイテムです。
必ずしも天然流木を使う必要はなく、人工の物でもとにかく何度も触れているように登れるところが必要です。レイアウトの美しさを意識したい方は天然流木を、できるだけ安く済ませたい方は人工のものを選びましょう。
下記のリンクからアマゾンで購入することができますが、形状が選べないため多めに買うことをおすすめします。届いたものが必ずしも組み合わせられるとは限らないので、様々な形状のものを複数所持しておき、高さと安定感を両立できるように流木を選んでいきましょう。
空き瓶
あると便利、というくらいですが我が家では必須です。用途は、コオロギなどの生き餌にカルシウム剤をまぶすときに使います。
下でカルシウム剤を紹介しますが、小さな入れ物に粉が入っているだけですので、そのまま使うには上からまぶすしかありません。お皿にコオロギを入れて上からまぶしていたら飛び跳ねて脱走されますので、私は空き瓶にカルシウム剤を少量入れてその中にコオロギを入れ、シェイクしています。
逃げる心配もなく、コオロギの全身にカルシウム剤が付きますのでとてもおすすめです。深めのものであればどんなものでも構いませんので、ご自宅の中を探してみてくださいね!
生き餌
インドシナウォータードラゴンの主食は昆虫です。コオロギ、デュビアをメインに用意しましょう!
コオロギやデュビアなどの生き餌を与える際は必ずカルシウム剤を添加してください。虫の栄養価は高いのですが、カルシウムが不足します。カルシウムが不足するとクル病というとても危険な病気にかかってしまいますので、カルシウムの添加は忘れないようにしましょう。
野菜や果物を食べることもありますが、「空腹時に他に食べるものがなければ食べる」といった程度だそうですので、あえて与える必要はありません。
カルシウム剤
上記で触れたカルシウム剤です。エサを与えるときはすべてのエサに必要だと思っていただいて構いません。
生きエサにつける場合は空き瓶にカルシウム剤を少し入れ、その中にエサを入れ添加します。何度もお伝えしていますが、重大な病気につながってしまうので必ず忘れず添加しましょう!
▼使用しているカルシウム剤▼
インドシナウォータードラゴンとの接し方について
これまでは飼育に必要な用品をもとに注意すべき点や用途について触れてきました。ここでは日々のお世話やインドシナウォータードラゴンとの接し方について解説していきます。
日々のお世話
飼育をする前は、自分の生活リズムとインドシナウォータードラゴンの生活リズムを合わせるイメージがなかなか湧きづらいかと思います。一例として、私の生活をご紹介しますので参考にしてみてください。
時間 | お世話 |
7:30~8:00 |
|
8:00~8:15 |
|
8:15~8:30 |
|
21:00~21:15 |
|
22:00~ |
|
24:00~ |
|
私は昼間仕事に出ていますので、お世話をするのは朝と夜だけです。特に大きな工夫をしているわけではありませんが、バスキングランプと紫外線ランプの点灯・消灯時間を分けている点は意識をしています。
バスキングランプは温度管理に必要なので長く点灯させておいても大きな問題はありませんが、一方で紫外線ランプは点灯している間は常に紫外線を発しています。自然下では紫外線は太陽から出るものですので、照射時間は長くてもせいぜい8~10時間程度です。
私のように朝仕事に出て夜帰ってくる生活をしているとどうしても自然と全く同じにすることは困難ですので、可能な限り近づけるようにしています。
「どうしても心配」あるいは「仕事の帰りはもっと夜遅くなってしまう」という方はタイマーサーモという製品の購入を検討してみてください。こちらは時間や温度を設定することでバスキングランプや紫外線ランプ、その他の保温器具などを自動で点灯したり消灯してくれたりする優れものです。
以下でタイマーサーモという製品を詳細に解説した記事もありますので、気になる方は是非ご覧ください。
▼タイマーサーモ解説記事▼
GEX製タイマーサーモの特徴を解説|機能や使い方を徹底レビュー
また、旅行に出かけたりする際にも自動で管理してくれるので、ひとつ常備しておけば安心かもしれません。
また、乾燥系に棲むトカゲと違い、インドシナウォータードラゴンを飼育する場合は必ず「霧吹き」が必要になります。アクアテラリウムなどでケージ内を水と陸地で分けるようなレイアウトにしてしまっている場合は別ですが、基本的に陸地+水入れというレイアウトをしている場合は霧吹きを毎日しましょう。
湿度は80%ほどが目安で、かなり多湿です。この湿度を少しでも下回ると死んでしまうということは考えにくいですが、体色やクレストなど、インドシナウォータードラゴンの健康状態が見た目となって現れますので「ちょっと多いかな?」くらい霧吹きをして問題ありません。(私は一度に200mlほど霧吹きをします)
インドシナウォータードラゴンとの触れ合い方
インドシナウォータードラゴンは比較的臆病な子が多く、警戒心が強めのトカゲです。しかし正しい接し方でゆっくりと信頼関係を築いていくことでしっかりと慣れてくれますし、ピンセットや手からもエサを食べてくれます。
お世話をするとき
糞や食べ残しを取り除くときや、水替えなどを行うときはできるだけインドシナウォータードラゴンの頭上に手や腕がいかないように意識しましょう。
樹上棲トカゲが木の上で生活をするのは、地上の外敵から身を守るためです。そのため、下からのものには警戒心は薄いですが、上から近づくものには過敏に反応します。(恐らく外敵が鳥などのため)
完全に人に慣れてしまった子であればそこまで意識する必要はありませんが、ベビーやヤングから飼育する場合はまだそれほど人慣れしていない場合が多いので、意識し過ぎてし過ぎることはありません。
ハンドリング
爬虫類の飼育を検討している方は一度は「ハンドリング」という言葉を見たり聞いたりしたことがあると思います。その名の通り生体に手で触れることを指しますが、お世話をするときよりも、このハンドリングについては注意を払ってあげてください!
まず意識していただきたいことは、爬虫類は犬や猫と違い「人に触られて喜ぶ動物ではない」ということです。そのため、慣れている子でも過度のハンドリングは多少なりともストレスになりますので禁物です。
しかし一方で、触らなければ慣れないということも事実です。適切なハンドリングについていくつかポイントがありますのでご紹介します。
- ケージから出すときは必ずトカゲの腹部に手を添えてすくい上げるように持つ
- 暴れたり威嚇したり、嫌がる仕草を見せたらすぐ止める
- あまり頻繁にし過ぎず、長時間ハンドリングをしない
急に慣らそうとせず、少しずつ日数をかけて徐々に慣らしていくことを意識しましょう。
ただし、インドシナウォータードラゴンは基本的には臆病で警戒心の強い性格をしています。できればハンドリングはしない方がベターだと思います。
個体差はあると思いますが、ベビーから飼育をしていてもハンドリングをするとかなりバタつきます。攻撃をしてくることはありませんが、暴れて手の中から飛び出してジャンプをするので、どこかにぶつかって怪我をしてしまう恐れがあります。
温浴をさせる時以外のハンドリングはできるだけ避けたいところです。
知っておきたいインドシナウォータードラゴンの代表的な病気について
インドシナウォータードラゴンがかかる病気はいくつかありますが、多くのトカゲがかかりやすい病気と大きな差はありませんので、以下の記事にまとめました。
インドシナウォータードラゴンがかかりやすい病気についてあらかじめ概要を知っておきたい方は是非ご覧ください。
▼トカゲがかかりやすい病気の解説記事▼
トカゲがかかりやすい代表的な病気について|原因と対処法を解説
インドシナウォータードラゴンの飼育方法まとめ
これまで、必要な用品をもとに私の飼育環境をご紹介しながら、インドシナウォータードラゴンの飼育方法の解説を行ってきました。飼育において重要な点のみに絞ったまとめは以下です。
- 高さ60cm以上のケージで飼育をする
- 紫外線UVBライトとバスキングランプは必ず設置(UVBは半年に1回交換)
- 40℃前後のホットスポットと25℃前後のクールスポットを作る
- 霧吹きは毎日行い、湿度80℃前後をキープする
- 全身が入れる水入れを必ず用意する
- エサにはすべてカルシウム剤を添加する
- 過度なハンドリングは避ける
最後に:ウォータードラゴンと最高の生活を送っていただくために
最後までお読みいただきありがとうございます。
インドシナウォータードラゴンは、フトアゴヒゲトカゲなどと比較するとやや飼育難易度が高いような印象を受けます。
これはインドシナウォータードラゴンという種ではなく、バシリスクやツリーモニターなど樹上棲トカゲ全体が基本的に警戒心が強く人に慣れづらい、ストレスに強くない、運動能力が高いなどの特性を持っているからであると思います。
今飼育しているインドシナウォータードラゴンも、一度極度の拒食に陥ってしまい、ほぼ1ヵ月食べないこともありました。その際はケージを今の特大サイズのケージにし、レイアウトも組みなおして環境を大きく変えることで改善がされましたが、やはりストレス耐性はそこまで強くないように思います。
ですが、冒頭で挙げたようにインドシナウォータードラゴンは美しく、かっこいいトカゲです。サイズも中型くらいになるのでとても育てがいのあるトカゲだと私は思います。
繁殖も盛んに行われており、価格も数千円まで落ちてきているので是非1度インドシナウォータードラゴンの飼育にチャレンジしてみてくださいね。