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初夏から夏頃にかけて普段の生活でも見かけることも多いのがこのニホンヤモリです。
夕方などになると家の外壁に張り付いていたり、夜間になると自動販売機、コンビニなどの明るいところで蛾などを捕食するために集まっているのを見かけたことのある人もいらっしゃるかもしれません。
よく観察すると、褐色の体にくりくりとした目、花のような手をしておりとても可愛らしいニホンヤモリですが、私も家に張り付いているところを捕まえてきて現在飼育をしているので、ここでは私の実際の飼育環境をご紹介しながらニホンヤモリの飼育方法を徹底解説したいと思います!
「よく見かけるけど飼育できるのかな?」
「捕まえるということは野生個体だから飼育って難しいんじゃないの?」
と思われてる方は是非最後までご覧ください!
ニホンヤモリとは?まずは生態について知ろう
冒頭でも触れたように、普段の生活でも見かけることが多いニホンヤモリですが、ここでは主に飼育に関わる点に絞ってご紹介します。
体長
大人の個体でおよそ8cm~10cm程度です。
田舎の方ではまれに15cm級の個体を見かけることもありますが平均は8cm~10cmと、とても小型なので広い飼育スペースが必要ないということは魅力の1つでしょう。
価格
比較的どこでも捕獲することが可能な日本原産の種のため、ショップなどで見かけることはとても少ないように感じます。
ショップの方に聞いた話では、販売されるとしたら数百円程度ではないかとのことでした。わざわざ販売しているお店を探すよりも捕獲したほうが早いと思われます。
私も、購入したわけではなく実際に捕獲して飼育をしています。捕獲方法や捕獲場所については以下で解説しているので捕まえてみたい方はご覧くださいね。
寿命
とても小型なニホンヤモリですが、なんと平均で10年程度の寿命を持ちます。
外国産の爬虫類を日本で飼育する状況とは異なり、日本原産種を日本で飼育するため難易度は低めです。寿命までしっかりと飼育してあげましょう!
ニホンヤモリの捕獲方法
上述したように、ショップで販売されていることが少ないため、入手方法で手っ取り早いのは捕獲です。ここでは捕まえることができる時期や捕まえやすい場所を解説していきます。
ニホンヤモリを捕獲できる時期
夏の風物詩のようなイメージがあり、捕まえることのできる時期は初夏~夏の季節です。具体的には、梅雨明けの7月頃から9月下旬ごろまでは可能です。
気温が下がってくるとニホンヤモリは体力を蓄え越冬を始めるため、捕獲することは不可能となります。厳密には、越冬中のニホンヤモリを見つけることも可能ですが、越冬中の個体を無理に起こすと死んでしまうこともありますので絶対にやめてください。
ニホンヤモリを捕獲しやすい場所
都心部でも捕まえることは可能ですが、少し郊外の方が発見できる確率は高まります。
私が一番見かけることが多いのは、夜の時間帯の自動販売機、コンビニです。自動販売機やコンビニなどの光に蛾などの小さな虫が集まっているのを誰でも1度は見かけたことがあると思いますが、ニホンヤモリはそれらの虫を主に捕食しています。
外に面したマンションのエントランスにある常夜灯など、とにかく夜間に虫が集まる光を発しているところにニホンヤモリは着いていることがほとんどです。
上記のような場所を狙って注意深く観察してみてくださいね。
実際の飼育環境をもとに具体的な飼育方法をご紹介
それでは、いよいよ具体的な飼育方法や飼育環境について解説していきます。ネットなどでも情報がたくさん出回っていますが、知識として知ることはできても飼育している状態を具体的にイメージするのはなかなか難しいのではないかと思います。
そこで、今回は実際に飼育しているニホンヤモリの飼育環境を写真付きで紹介しながらより具体的に解説します。
まずは実際の飼育環境を写真でご紹介!
写真が小さくて見づらいところもあると思いますが、画像をクリックしていただければ拡大されますので気になる画像は是非拡大してくださいね!(スマホでご覧の方はピンチアウトしてください)
飼育に必要なもの一覧表
まずは「飼育に何が必要なのか」を一覧でご紹介します。それぞれについては下で詳しく解説していくので一度目を通してみてください!
製品名をクリックすると詳細が書いてあるところまで飛べるので、見たいところが決まっている方はクリックしてください!
項目 | 製品 | 重要度 |
環境 | 飼育ケージ | 必須 |
床材 | 低 | |
保温類 | 保温球 | 中 |
ソケット | (※保温球を使用する場合必須) | |
パネルヒーター | 中 | |
小物類 | エサ入れ | 高 |
ピンセット | 高 | |
流木(登れる木) | 必須 | |
空き瓶 | 低 | |
エサ | 生き餌 | 必須 |
カルシウム剤 | 必須 |
製品別にそれぞれを詳しく解説!
ここからは、上記であげた製品をそれぞれ解説していきます。
飼育ケージ
横25cm×奥行15cm×高さ20cmのプラスチックケースを使用しています。
ニホンヤモリは樹上棲の性質を持っていますので、横幅や奥行などよりも高さを重視したケージを選びましょう。私が使っているものは100円均一で500商品として売られていたものを使っています。
ニホンヤモリは動き回ることもないためコンパクトなものでOKです!
床材
基本的には壁に張り付いたり、レイアウト用の木材などに張り付いたりして隠れていることがほとんどですので床材を敷く必要性はほとんどありません。
私は、見た目の観点と湿度を保つ点から爬虫類用のソイルを使用しています。
▼使用している床材▼
■ジェックス テラリウムソイルのポイント
保温球
日本に住んでいるということもあり、ニホンヤモリの適正温度は18℃~28℃前後と幅広いです。部屋の温度をエアコンで管理してしまっている場合は保温球は必要ありません。夜行性のためバスキングスポットも必要としません。
そうでない場合は、ケージの外から照射し、ケージ内ではなくケージの周りの空気を温めるイメージで使用してください。
ニホンヤモリは夜行性のため、写真のような赤外線(赤色)タイプのものを利用すると良いでしょう。(爬虫類は赤色を視認できないとされているので昼夜問わず使用できます)
※例としてヘビを飼育しているレプタイルボックスの写真を載せています。
プラケースを利用される場合は、アクリルでできているレプタイルボックスよりも素材が弱いので保温球との距離を十分に確保するようにしてください。
▼使用している保温球▼
温度管理の勘所がつかめるまでは、以下のような温度計をケージ内に設置し、ランプからの距離とケージ内温度の上がり方をしっかり把握しましょう。
▼使用している温度計▼
また、冬の温度管理について、冬眠をさせる場合は保温行為そのものが不要ですが、飼育下で冬眠をさせることは難しいようで、冬眠したまま死んでしまったりすることも頻繁に起こっているようです。
私自身、冬眠をさせた経験がないためここでは触れず、保温して冬眠をさせないことをおすすめとさせていただきます。
ソケット
※保温球を使用しない場合は不要
保温球は「球」として売られているので、それをつなぐソケットが必要です。E26口金といわれるサイズが一般的で、爬虫類用のソケットであれば基本的にどのようなものでも問題はありません。角度の可動域が広いことと、コンパクトな設計で扱いやすいことから私は以下を使用しています。
▼使用しているソケット▼
パネルヒーター
真冬になると、保温球だけでは温度が保てなくなる時があります。そういう時はパネルヒーターを使いケージの下からケージ内を温めます。
ただし、パネルヒーターがケージ全体に当たらないよう注意してください。これはケージ全体が高温になりすぎないようにするためです。目安としてケージの3分の1ほどにパネルヒーターを当て、暖かいところと涼しいところをつくることを心掛けましょう。
エサ入れ
野生個体の場合、ピンセットや手からエサを食べてくれることは少なく、人に慣れない個体の方が多いように思います。そのため、夜の時間帯に虫などの生き餌をケージ内に入れて置くことになります。
ヤモリは皮膚が柔らかく、トカゲのように硬い鱗がないため、コオロギなどに噛まれて怪我をしてしまう恐れがあるので置き餌をする場合はエサ入れに入れましょう。
自然素材の床材を使用、かつ手やピンセットなどではなく置き餌をする場合は、床材の誤飲を避けるためできるだけエサ入れに入れるようにしましょう。
下記の物はコオロギなどの虫エサが脱走しにくい構造になっているのでおすすめです。
▼使用している虫エサ用のエサ入れ▼
注意点として、コオロギの場合はジャンプして簡単に脱走できてしまうので、必ず後脚の2本をちぎってから入れるようにしましょう!デュビアなどのゴキブリ系はそのまま入れてしまって問題ありません。
■スドー レプタイルカップのポイント
ただし、野生個体はエサ入れに警戒してエサを食べない可能性も考えられます。飼育を始めて最初の捕食まではしっかり観察し、エサ入れに入れる、ピンセットで与える、ケージ内に放して目を離さず観察する、など様々なことをトライしましょう。
ピンセット
1つ持っておくと何かと便利なのがこのピンセットです。虫かごなどから生き餌を捕まえるときや、ニホンヤモリにエサをあげるときなど多くの場面で活躍します。
ただし、衛生面を考慮し、糞を取り除くときは同じものを使用せず、別のピンセットか割りばし、スコップなどで取り除いてください。
▼使用しているピンセット▼
何度も触れていますが、野生で捕まえてきた個体は人間を知らない状態のため人懐っこいことはまずありません。
その状態で手からエサを食べる可能性も低く、ニホンヤモリが人の手を怖がってしまってはいけないので飼い始めはいきなり手からエサをあげることにトライせず、直接与える場合はピンセットを使用するようにしましょう。
流木(登れる木)
ニホンヤモリは樹上棲のため必ず登れるところが必要です。
また、やや臆病な性格をしているため、身を隠すシェルターとしての役割もこの木が果たします。そのため細い木よりは平べったく、重ねることで隙間ができたりするようなものが理想的です。
私はコルクの皮を安価で購入して使用しています。
▼使用している木材▼
もちろん購入せずとも、落ちている木などを拾ってレイアウトすることも可能ですが、レイアウト用に加工されているコルクは見た目が良く、やわらかいので加工もしやすいのでとても使いやすいので大変おすすめです。
■コルクディスプレイのポイント
空き瓶
あると便利、というくらいですが我が家では必須です。用途は、コオロギなどの生き餌にカルシウム剤をまぶすときに使います。
下でカルシウム剤を紹介しますが、小さな入れ物に粉が入っているだけですので、そのまま使うには上からまぶすしかありません。お皿にコオロギを入れて上からまぶしていたら飛び跳ねて脱走されますので、私は空き瓶にカルシウム剤を少量入れてその中にコオロギを入れ、シェイクしています。
逃げる心配もなく、コオロギの全身にカルシウム剤が付きますのでとてもおすすめです。深めのものであればどんなものでも構いませんので、ご自宅の中を探してみてくださいね!
生き餌
ニホンヤモリの主食は昆虫です。コオロギ、デュビアをメインに用意しましょう!
コオロギやデュビアなどの生き餌を与える際は必ずカルシウム剤を添加してください。虫の栄養価は高いのですが、カルシウムが不足します。カルシウムが不足するとクル病というとても危険な病気にかかってしまいますので、カルシウムの添加は忘れないようにしましょう。
カルシウム剤
上記で触れたカルシウム剤です。エサを与えるときはすべてのエサに必要だと思っていただいて構いません。
生きエサにつける場合は空き瓶にカルシウム剤を少し入れ、その中にエサを入れ添加します。何度もお伝えしていますが、重大な病気につながってしまうので必ず忘れず添加しましょう!
▼使用しているカルシウム剤▼
ニホンヤモリのと接し方について
これまでは飼育に必要な用品をもとに注意すべき点や使い方について触れてきました。ここでは日々のお世話やニホンヤモリとの接し方について解説していきます。
日々のお世話
夜行性のため紫外線照射が必要なく、バスキングスポットも必要としないため照明類の管理がほぼ不要で、日々のお世話に関して気を付けるべきことは掃除と霧吹きが主になります。
特に霧吹きについてはとても重要で、ニホンヤモリは水入れから水を飲まず、壁についた水滴を舐めて水を飲みます。そのため、霧吹きのやり方は床材を濡らして湿度を保つやり方ではなく、ケージの壁面に吹きかけるようにしてください。
ケージに霧吹きを吹きかけるとちゃんとその水滴を舐めて水分補給してくれるのですが、霧吹きしたままずっと放置をしていると壁面が白く汚れるので適度に拭き取るお世話も必要となります。
身体が小さいため糞や尿も小さいですが、こまめに取り除くことと、エアコンによる室内温度管理ではない場合、冬の温度管理のために上記で挙げたように照明類を管理する必要があります。
ハンドリング
爬虫類の飼育を検討している方は一度は「ハンドリング」という言葉を見たり聞いたりしたことがあると思います。その名の通り生体に手で触れることを指しますが、お世話をするときよりも、このハンドリングについては注意を払ってあげてください!
まず意識していただきたいことは、爬虫類は犬や猫と違い「人に触られて喜ぶ動物ではない」ということです。そのため、慣れている子でも過度のハンドリングは多少なりともストレスになりますので禁物です。
しかし一方で、触らなければ慣れないということも事実です。適切なハンドリングについていくつかポイントがありますのでご紹介します。
- ケージから出すときは必ずヤモリの腹部に手を添えてすくい上げるように持つ
- 暴れたり威嚇したり、嫌がる仕草を見せたらすぐ止める
- あまり頻繁にし過ぎず、長時間ハンドリングをしない
急に慣らそうとせず、少しずつ日数をかけて徐々に慣らしていくことを意識しましょう。
ニホンヤモリは、基本的には臆病な性格をしているため積極的に攻撃をしてくることはなく、走り回ったりすることも少ないためハンドリングに向いている種ではあります。
ただし、それは慣れているのではなく怖がっているだけということをしっかり念頭に置き、過度なハンドリングは避けましょう。また、手で包み込むようにして持ってしまうと身をよじって暴れることが多いです。ハンドリングの際は手の甲や手のひらに乗せるだけにしてあげると良いでしょう。
最後に:ニホンヤモリと最高の生活を送っていただくために
最後までお読みいただきありがとうございます。ここまで、ニホンヤモリの捕獲方法から具体的な飼育方法までを解説してきました。
普段は何気なく見過ごしているニホンヤモリも、よく観察するととても愛らしい姿と仕草を持っています。また、日本原産のため日本の気候で育てやすく、丈夫なため飼育もそこまで難しくありませんが、捕獲して飼育する場合は繁殖個体ではなく野生個体(ワイルド個体と呼ばれる)を飼育するということになるため通常より難易度は高いかと思います。
これまでずっと人と触れ合うことなく育ってきた個体ですので、もともとの性格の臆病さも相まって最初のエサを食べるまでが一番難しく、一番大切なポイントです。
小さな体でも10年近く生きることのできる種です。ニホンヤモリという生態、野生個体の特徴などをしっかり押さえて時間をかけて慣らしていき、愛らしいニホンヤモリとの最高の生活を送ってくださいね。