※本ページはアフィリエイトプログラムを利用しています
「ときどき温浴させてあげてください。」
「トカゲは適度に温浴させると健康を保てる。」
など、爬虫類の飼育を検討している方や飼育方法を調べている方は、「温浴」という言葉を一度は聞いたり見たりしたことがあるのではないでしょうか。
実際、飼育しているトカゲを温浴させることにはたくさんのメリット(効果)があります。RepLifeでも、飼育しているトカゲ達には温浴をさせています。
ここでは、トカゲの温浴について具体的にどんな効果があるのか、どうやって温浴をさせるのか、などを徹底解説します。実際に温浴させている写真を公開しながらご紹介していきますので、是非最後までご覧ください!
トカゲの飼育における温浴とは
温浴とは、その言葉通り「トカゲなどの爬虫類をぬるま湯に浸からせる」ことを指します。
生息地帯(湿地、乾燥)を問わず、どちらに生息しているトカゲでも温浴をさせることには一定の効果があり、野生下では行われていないはずなので飼育下独自のものと言えます。
温浴のメリット(効果)とデメリット
冒頭で、温浴をさせることにはたくさんメリットがあるとお伝えしました。ここではどんな良い効果があるのかを解説します。
しかしながら、もちろんデメリットもないわけではありませんので、気を付けるべき点としてデメリットについても同時に解説します。
メリット(効果)
①脱皮の手助けになる
トカゲを含む多くの爬虫類は脱皮をすることで成長し、古い皮を脱ぎ捨てることで健康を維持しています。しかし、極度の乾燥など、湿度の環境が合わないとうまく皮が剥けず、脱皮不全を引き起こします。
それを防いでくれる効果があるのがこの温浴で、脱皮が始まったときに温浴をさせると皮がお湯を吸ってふやけるためとても剥けやすくなります。
日々の観察の中で「脱皮が始まったけどもう何日も剥けきってないな。」と思うことがある場合は温浴をさせてみましょう。
②食欲の促進につながることがある
私の場合はこれを体感することができました。私が飼育しているインドシナウォータードラゴンは、何度かエサを食べなくなることが今でもあります。
3日以上は平気で拒食をするので、そういう時に温浴をさせて翌日にエサをあげると少しですが食べてくれます。一度食べると食欲も戻ってくるようで、どんどん食べてくれるようになりました。
絶対に食欲が戻る、と断言できるものではありませんが、私の場合ですと上記のサイクルを何度か経験しているので、食欲促進の効果はあるのだろうと実感しています。
③排せつの促進ができる
人間の赤ちゃんと同じような感覚ですが、トカゲも体を温めると排せつが促進されるようです。私がフトアゴヒゲトカゲを温浴させた際、お湯の中で大量に排せつをしたので効果は体験済みです!
もちろん100%排せつするわけではありませんが、トカゲはエサを食べた後バスキングで体温を上げ消化を促進する体の仕組みになっているので、その点からも温浴で排せつが促進されることは理にかなっているでしょう。
「エサはちゃんと食べているのに排せつが少ない。」という状況の時は、是非温浴を試してみてあげてください。
④発色が良くなる場合がある
これは、飼育するトカゲの種類にもよります。もちろん、どのような種類であっても基本的に脱皮をすると新しい皮膚になるのでくすみが取れ体色がきれいになります。しかし、インドシナウォータードラゴンやカンムリトカゲなど、素の体色が鮮やかな種類については脱皮をせずとも温浴後しばらくすると発色が良くなる時があります。
発色の良さは健康のバロメータの一つでもあるので、常に美しい状態で飼育できることが望ましいです。
デメリット
上記のように、いかにも健康に良さそうな効果がある温浴ですが、デメリットもあります。
①ストレスになる場合がある
前述したように、温浴は飼育下独自のものです。特に、乾燥地帯に住んでいるトカゲはそもそも「水に浸かる」という習性を持っていません。
インドシナウォータードラゴンのように普段から頻繁に水浴びをする種類であれば水がストレスになることは考えづらいですが、フトアゴヒゲトカゲなどのように乾燥地帯に住んでいるトカゲには十分ストレスになり得ます。
また、温浴をさせるときには必然的にハンドリングをすることになります。慣れていない子はこの時点で既にストレスになってしまうでしょう。
②逆に体調を崩してしまう場合がある
温浴は、頭を除く体全身をお湯に浸けるものですので、トカゲも人間と同じように湯冷めしてしまうことがあります。体が冷えてしまうと逆に消化がうまくいかなくなったりして、下痢になってしまうことも考えられます。
このように、温浴にはデメリットもありますが、正しい温浴方法をとることで抑えることができます。具体的な温浴方法を下で解説するので、生体にとってできるだけメリットの多い温浴にしましょう!
具体的な温浴方法を写真付きで解説
ここでは、私の飼育下で一番温浴に慣れているフトアゴヒゲトカゲを例に具体的な温浴方法をご紹介します。
頻繁に温浴をさせてしまうとストレスの原因になってしまいますので、頻度は2~3週間に1度、あるいは1か月に1度でも問題ないと思います。
工程①:温浴させる場所を用意する
ほとんどの場合、大きめのタッパーや爬虫類用の水入れを使用します。私は2匹同時に温浴をさせてしまうので、洗面所や浴槽を使ってしまいます。(※温浴中に水を飲む子も多いので、私のように洗面所や浴槽を使う場合は、洗剤やボディソープ、石鹸などが絶対水に混ざらないようお湯を張る前に必ず水洗いしてください。)
1匹を単独で温浴をさせる場合は、市販されている爬虫類用の水入れの利用がおすすめです。もちろんタッパーでも代用できないことはありませんが、嫌がって暴れたときなどにひっくり返される心配もあるため、重さのある爬虫類用の水入れを用意してあげられることが望ましいです。その際、サイズは生体の体が全身浸かるくらいのものを用意しましょう。
▼爬虫類用の水入れ▼
工程②:お湯を張る
場所の確保ができたら、お湯を張ります。温度は37℃前後に設定します。タッパーや水入れを使用する場合、水量が少ないためすぐにお湯が冷めてしまいますので温度には注意をしましょう。
慣れてくると指の感覚で温度を見れるようになりますが、最初のうちは写真にあるような水温計を使いしっかりと温度を合わせましょう!
▼水温計▼
また、深さについては浅すぎず深すぎない深さを意識してください。具体的には、頭を上げた状態で頭がすべて水面から出る深さにすると良いです。
工程③:生体をお湯に浸ける
トカゲをお湯に浸ける時は、いきなりお湯に入れず、手に乗せた状態で手と一緒にゆっくり沈めていくイメージでお湯に浸けていきます。突然お湯に浸かるとパニックを起こして暴れてしまうことが多いので、お湯に浸けてしばらくはお腹と手足に手を添えてあげておく方法が良いでしょう。
私の飼育しているフトアゴヒゲトカゲはもう温浴に慣れていて、今では写真のようにインドシナウォータードラゴンとの混浴もできるようになりました。
ここで注意していただきたいことは、絶対に目を離さないということと、嫌がったらすぐにお湯から引き上げることの2つです。
もちろん、最初は抵抗がありのそのそと逃げようとすることがほとんどですが、時にパニックを起こしたように暴れることがあります。そのような状態での温浴はストレス以外の何物でもありませんのですぐに温浴を中止しましょう。
特に嫌がらない場合でも、温浴は10分~15分を目安にすると良いでしょう。
工程④:生体の身体を洗う
飼育下にある多くのトカゲは、お腹や太もも、尻尾の裏などに糞がついていることが多いです。排せつしてすぐに取り除くことが100%できていればそのような状態にはならないかもしれませんが、現実的ではありませんので温浴の時に身体を洗います。
お湯につけたら指で少しこすって糞を落とします。フトアゴヒゲトカゲの大人のように皮膚が固い生体でしたら柔らかい歯ブラシなどでこすってあげるのも効果的です。
工程⑤:身体をタオルで拭く
10分ほどお湯に浸けて身体を洗ったら、最後に身体をタオルなどで拭いて水滴を取ります。常に水浴びをする種類のトカゲでしたら拭く必要はありませんが、フトアゴヒゲトカゲなど普段水に浸かる習性のないトカゲは、全身が濡れたままでいると体温調節がうまくいかなくなったりしますので、必ず身体を拭きましょう。
完全に乾かす必要はありませんので、おおよその水分を拭き取った後はバスキングランプの下に帰してあげてください。
最後に:トカゲの温浴についてのまとめ
最後までお読みいただきありがとうございます。ここまでトカゲの温浴についてのメリットとデメリット、具体的な温浴方法についてご紹介してきました。
トカゲを温浴させる際のまとめは以下です。
■メリット
- 脱皮の手助けになる
- 食欲の促進になる場合がある
- 排せつの促進になる
- 発色が良くなる場合がある
■デメリット(正しい温浴方法で軽減可能)
- ストレスになる場合がある
- 逆に体調を崩してしまうことがある
■温浴をさせる際のポイント
- 頻度は2週間~1か月に1度が目安
- 温度は37℃前後を目安とし、顔が水面からすべて出る深さにする
- 最初は手に乗せた状態でそのままゆっくり手と一緒にお湯に沈める
- 温浴中は絶対に目を離さず、嫌がったらすぐに引き上げる
- 温浴時間は10分~15分を目安とする
- 終わったらできるだけ体の水分を拭き取る
正しい温浴方法でトカゲとしっかりコミュニケーションを取りながら健康を守ってあげてくださいね!