ヘビがかかる代表的な病気について|原因と対処法を解説

ヘビ

ヘビなどの爬虫類に限らず、ペットの飼育に病気はつきものです。特に、日本に流通している爬虫類の多くは外国産であり、生息環境の違いから招いてしまう病気もあります。

ここでは、ペットとして飼育しているヘビがかかる可能性のある代表的な病気について解説していきます。できる限り詳しく解説しますが、改善されない病気、原因不明の病気などもありますので生体の命を保証するものではない点のみご了承ください。

拒食

ある日突然エサを食べなくなる症状です。ヘビはもともと数か月エサを食べなくとも生きていけますが、「食べらさせない」と「食べない」は意味合いが異なります。

エサを食べないので、改善されなければそのまま命を落としてしまう、最も危険で代表的な病気の一つです。

原因

ヘビの拒食の原因は多岐に渡ります。主なものは、飼育温度が不適切、ストレスの2つが挙げられます。

特にストレスについては飼育環境によって様々です。ハンドリングのし過ぎ、半解凍のエサを食べさせてしまった、人の足元に置いているためいつも怯えている、物音、など個体によって何をストレスに感じるかはまちまちです。

対処法

まずは飼育環境を徹底的に見直してください。温度が適切で、ストレスが原因と思われる場合は、まずは静かな場所にケージごと移動し、ケージの周りにタオルを巻くなどして周囲が見えないようにして1~2週間そっとしておいてみてください。この期間に注意していただきたいことは、無理にエサを食べさせないようにすることと、水は必ず毎日換えることの2つです。

また、シェルターを設置していない場合はシェルターを入れてあげることも方法の一つです。隠れることができるようになると、ストレスを軽減できる可能性があります。

それでも食べずに見た目も痩せてきてしまっている場合はアシスト(強制給餌)をします。私が飼育しているシシバナヘビは、病気やストレスなどではなく、産まれたときから自分でエサを食べることを知らない子で、毎度エサをアシストであげています。

脱皮不全

脱皮がうまくできない症状です。ほとんどの爬虫類は脱皮をし、古い皮を脱ぎ捨てることで成長します。トカゲなどの場合は体の一部分が壊死してしまう、といった症状ですが、ヘビの場合は体全体になるので脱皮不全は致命的です。

原因

飼育環境が適切でない場合と、ヘビが体調を崩している場合の2パターンが主な原因です。

飼育環境については、極度の乾燥により皮が剥けない、また体の皮を引っ掛けるものがケージ内に無いためうまく剥けないといったことがあります。

体調を崩してしまっている場合は早急に病院に連れていきましょう。飼育環境の不衛生などで寄生虫が体についてしまっている場合もあります。

脱皮不全の前に、そもそも脱皮をしないという場合はエサの頻度と量を見直してください。「長い期間食べなくても生きていける」という情報があまりに有名なため、ついついエサが不足してしまうことも飼育下では多く見受けられます。

あまりにも脱皮をしない場合は一時的にエサの量を増やしてみると脱皮が促進されるかもしれません。

対処法

脱皮の合図が始まったら毎日注意深く観察してください。ヘビは脱皮をする直前に目が白く濁り、一度濁りがなくなってから脱皮を開始します。

その際、ケージ内のレイアウトに何も置いていない場合は体をこすりつけられるようなものを入れてください。ごつごつしたシェルターは、隠れ家にもなり脱皮の手助けにもなるので一般的です。

脱皮が始まってから丸1日経っても剥けきれていない場合は人の手で剥きます。ぬるま湯に生体をしばらく浸けてあげ、皮がふやけてきたら手でゆっくりゆっくりと剥いていきます。脱皮中はヘビが神経質になっていることが多いので、ヘビが暴れて一気に剥けてしまったりすることがないよう慎重に行ってください。

体の脱皮不全であれば上記のように自分でも対処が可能ですが、目(アイキャップ)に皮が残ってしまうこともあり、その場合は膜の切除が必要になるため爬虫類を診ることができるお医者さんに連れていきましょう。

体の腫れ

顔や体の一部分が腫れ上がる症状です。原因によってはヘビが死に至ってしまうとても危険な症状です。

原因

原因は様々で、栄養不良、内部寄生虫、外傷からの感染病などが考えられ、いずれも飼育環境のよるものが多く、不衛生な状態での飼育下で起こることが多いとされています。

対処法

まずは絶対にケージ内を清潔に保ち続けてください。既に不衛生な状態になってしまっている場合は、ケージをリセットするか、新しいものに一新してください。

レイアウト用品で使っていたシェルターや水入れなどがある場合も、消毒処理をするか、新しいものにすべて変えるかしましょう。

ただし、一度体の一部が腫れ上がってしまった場合、自然治癒することは考えづらいため、飼育環境を整え終わったら早期に専門医に連れて行ってあげてください。

最後に:ヘビと長く一緒に暮らすために

自宅にペットとして迎えるヘビの中には、もともとてんかん発作を持っている子や、先天的に疾患を持っている子もいます。爬虫類の「突然死」は知り合いの飼育者の中でも話題に上がることがあります。

しかし、そういった場合を除き、正しい知識と飼育方法を身に着けていれば予防できる病気もたくさんあります。本来人間と一緒に過ごしていくペットではないため、犬や猫などのペットよりも知識と飼育経験が必要になるでしょう。

また、病気にかかってしまったときにすぐに診てもらうことができる獣医さんを見つけておくことで、ヘビを死なせてしまうリスクを下げることができるのでペットとしてお迎えする前に必ず事前に確認をしておきます。

しっかりと飼育環境を整え、お迎えしたヘビと少しでも長く一緒に過ごしましょう!