デュビアは、アルゼンチンモリゴキブリという、4~5cmほどまで大きくなるゴキブリです。
コオロギと違い噛みつかず、足も遅いのでコオロギよりも格段に扱いやすいエサ昆虫と言えます。集団でモソモソと動く姿や、「ゴキブリ」そのものの姿から苦手な方も多くいらっしゃるようです。私も最初はとても苦手でしたが、爬虫類にコオロギを与えるときとデュビアを与えるときではかかる時間が全く違います。
上述したように、噛みつかず足が遅いので、手でホイホイつかんで爬虫類に与えることができます。コオロギの場合だと、捕まえるときにケージから飛び出したり、捕まえることに時間がかかったり、エサ入れに入れるときには後ろ足をちぎってからなど、少々手間がかかりますがデュビアはそれが全く必要ありません。
コオロギと並び、多くの爬虫類・両生類の主食となるそんなデュビアですが、1度に100匹、200匹と購入することがほとんどです。その場合、必然的にエサ用とはいえ飼育をする必要が出てきます。
ここでは、デュビアの具体的な飼育方法と、一工夫を解説していきます。
それでは、早速解説していきましょう!
飼育に必要なもの一覧
まず初めに、デュビアの飼育に必要なものを一覧でご紹介します。基本的には「最低限の費用」で「死なせずにキープする」ことを前提としているので、必須のものだけ記載しています。
必要なもの | 重要度 |
飼育ケージ | 必須 |
シェルター | 必須 |
水入れ | 必須 |
エサ | 必須 |
飼育ケージ
プラケースでも、衣装ケースでも、呼吸穴があることと蓋ができることを満たしていれば基本的にはなんでも構いません。
あくまでデュビアを死なせずにキープしておくことが前提ですので、できるだけ費用をかけないことが望ましいです。私は、100均で500円商品として売られているプラケースを使用しています。
シェルター
こちらもデュビアが身を隠せるものであればどのようなものでも構いませんが、爬虫類用のシェルターなどではなく、できるだけ多くのデュビアが身を隠せるものが望ましいです。
よく使われるものは紙製の卵パックです。卵パックが用意できない場合は新聞紙をくしゃくしゃに丸めて使います。お店によってはデュビアを購入した際に一緒に卵パックを入れてくれるお店もあります。
▼紙製の卵パック▼
非常に安く大量に購入することができますので、1度購入しておけば長く使い続けることができます。
水入れ
後述しますが、デュビアを全滅させないため、飼育の手間を少し削減するために水入れに一工夫を加えます。小さめのタッパーを用意し、蓋に穴を空けキッチンペーパーを入れた状態で水を入れます。
キッチンペーパーが水を吸い上げ、それをデュビアの飲み水として利用する方法です。
エサ
デュビア専用のエサも売られているようですが、これも基本的にはなんでもよく、色んなものを食べます。私はフトアゴヒゲトカゲが残したドライフードをケージ内にばらまいています。
野菜ももちろん食べるのですが、ケージ内ですぐに腐ってしまったり、蒸れの原因になってしまったりするので個人的にはおすすめできません。
デュビアを死なせないために
デュビアは、ゴキブリという生体の特徴から、比較的強い昆虫の部類に入ると私は思います。コオロギより全滅の可能性も低いです。
デュビアが死んでしまう原因
私の知る限り、デュビアが死んでしまう主な原因は以下の4つです。
原因の詳細と対策
ここでは、上記で挙げた全滅の原因の詳細と、解決方法について具体的に解説していきます。
①飼育温度が適切でない
エサ用に販売されているデュビアは名前からも分かる通り海外に生息するゴキブリです。爬虫類や両生類と同じように、適切な飼育温度を整えなければなりません。
デュビアの飼育に適している温度は20℃~32℃前後とされています。爬虫類や両生類ほど温度に厳しくなく、適正温度の幅は広いですが、日本の真冬、真夏の温度に耐えることはできません。
エアコンで室内温度を管理していない場合は、デュビアと言えど冬はパネルヒーターでの加温、夏は送風や部屋で一番涼しいところにケージを置くなどの対策が必要になってきます。
②過密(ケージの広さに対しデュビアが多すぎる)
隠れるところが多くあることが前提ですが、デュビアの数に対しケージが狭すぎるとストレスなどで死んでしまったり、共食いが始まったりします。
私は上記で紹介した横幅30cm×奥行20cm×高さ20cmのプラケースに対し200匹を飼育しており、その状態で全滅したことはないのでその辺りを上限として思っていただくと良いかもしれません。個人的にはこれ以上増やすとまずいかな、という印象を持っています。
下記で詳しく解説しますが、病気にかかっているデュビアを共食いで食べてしまうことにより、食べたデュビアも感染し、一気に感染が広がって全滅するケースもあります。
③病気
病気の原因などは分かっていませんが、数百匹と購入するので中には病気を持っているデュビアが混ざっているケースがあります。(※爬虫類、両生類には無害であるとは思います)
共食いによりそのデュビアが食べられた場合、食べたデュビアに感染します。また、注意点は病気で死んでしまったデュビアを食べる可能性も高いということです。エサが不足しているとデュビアは生きている死んでいる問わず共食いを始めます。
少しでも感染を防ぐために、エサを切らさないように十分に確保することと、死んでしまったデュビアを逐一取り除くことを徹底しましょう。
水入れにちょっとした一工夫
ここでは、私が実践しているデュビア飼育における一工夫をご紹介します。
以前、浅い水入れに水を入れていたのですが、デュビアが溺死してしまったことがあります。また、シェルターとして使っていた新聞紙が水入れに浸かって水を吸い上げ、ケージ内がびしょびしょになってしまったこともあります。かといって、さらに水を少なくすると頻繁に追加しなければなりません。
そんな折にお世話になっている爬虫類ショップの方に教えていただいたのが、この方法です。
こうしておけば、水の量も十分確保できますし、安定しているので揺れてこぼれることもありません。水の交換は3~4日に1回くらいで問題ないと思いますので、手間も省けますね。
ただし、開ける穴が大きすぎると隙間からデュビアがタッパー内に入ってしまい、出られなくなって中で死んでしまうこともあるので穴の大きさには注意しましょう!
まとめ:しっかりとデュビアをキープするために
最後までお読みいただきありがとうございます。ここまで、デュビアをキープするための飼育方法や一工夫を解説してきました。デュビアの飼育に関しての注意点をまとめると以下です。
- 最低限の飼育温度は適切に設定する(20℃~32℃前後)
- 過密を避け、狭いケージにデュビアを入れすぎない
- 死んでしまったデュビアは必ず都度取り除く
数百匹まとめて購入するので、中にはもともと弱い個体も混ざっていることが多く、飼育の途中で何匹かデュビアが死んでしまうことはどうしても避けることができません。大切なことは全滅させないということです。
大切な爬虫類や両生類に与える重要なエサとなりますので、できるだけ健康で長生きするデュビアに育てましょう!